災害復旧に携わった人のお話①

災害ボランティア活動に参加した中学生に聞いてみました

 令和2年7月豪雨では、下呂市小坂町でも住宅被害などが発生しました。そのときに、災害ボランティア活動をした小坂中学校の生徒2人に当時の様子などの話を聞いてみました。
話してくれたのは、3年生の後藤涼介さんと2年生の上野泰征さんです。

下呂市立小坂中学校3年生(当時2年生)  後藤ごとう 涼介りょうすけさん

後藤さん

下呂市立小坂中学校2年生(当時1年生)  上野うえの 泰征たいせいさん

上野さん

後藤さん

豪雨災害では、自宅周辺で50mくらいにわたって道路や住宅の敷地内に土砂が流れ込んできました。雨が落ち着いたすぐ後、朝から夕方にかけて、自宅だけではなく近所のお年寄りの家の辺りの土砂をスコップなどで撤去しました。きっかけは、作業ができないお年寄りの手助けをしよう、と父と話したことです。父、母、妹と近所の人たちで作業しました。

上野さん

僕は、家屋の中にまで土砂が入ってきた小坂中学校の近くにある住宅に行き、家具や荷物を外に出したり、家の中を掃除したりしました。雨が落ち着いた後の休日に、午前9時から午後3時頃まで作業しました。きっかけは、社会福祉協議会からボランティアのことを聞いた母に誘われたからです。母と父と僕とで参加しました。

後藤さん

自宅周辺に土砂が広がっている光景を見て、最初、夢か現実かわかりませんでした。父と母が慌てている様子を見て、「あ、これは現実に起こっていることなんだ」と思いました。ボランティアは、始めたときはやる気満々だったけど、肉体労働だったので、最後の方は疲れてしまいました。けれど、やってみてとてもよかったです。近所の人も一緒に活動したのですが、当たり前のように人とのつながりがあって助け合いができる、この小坂町という地域がとてもいい所だと強く思いました。

上野さん

家の中にまでたくさんの土砂が入ってきているのは、普通では考えられないので、見たときはとても驚きました。ボランティアは、正直なところ、始める前は面倒だなという気持ちがありました。けれど、実際に活動した後、居住者の方から感謝の気持ちを伝えていただいたとき、うれしい気持ちになりました。力仕事は大変だったけど、またボランティアに参加してみたいと思いました。

後藤さん

感謝してもらえるのはうれしいことだし、ボランティア活動を通じて地域の力になることによって、自分たちが住んでいる町がより良い町になっていくと思います。

上野さん

人とのつながりができるし、相手に喜んでもらえて「ありがとう」って言われると、こちらも笑顔になれるし、元気になれるところです。

家の中や敷地に入った土砂を撤去する様子家の中や敷地に入った土砂を撤去する様子

※令和4年1月にインタビュー