被災された方のお話
ここで、「平成30年7月豪雨」を経験した方と「令和2年7月豪雨」を経験した方の体験談を紹介します。
〈関市在住の方、平成30年7月豪雨を経験〉
平成30年7月7日の夜10時頃までは、関市上之保を流れる津保川の水位はそれほど高くありませんでした。夜12時頃には急に水位が高くなりましたが、あふれることはないと思っていました。ただ、心配だったので、寝ずにテレビなどの情報を気にかけていました。日付が変わって、8日の午前1時50分頃、1kmくらい離れたところに住んでいる娘から「道路にすごい量の水が流れているよ!」という連絡を受け、外の様子を見てみました。川からあふれた大量の濁った水が家の前の道路を流れていて、とても歩いて通れる状態ではありませんでした。もしもの時に備え、昼間、家の裏にあらかじめ立てていた脚立を登り、高台へ避難しました。道路では、水の高さが大人の背丈よりも高い所まで達しました。
向かいの平屋に住む人は、外に出られず、家の中でみるみる水位が上昇していく中、ベッドの上で立ち上がり耐えていたようです。水かさが増え天井に手が届くまでベッドが浮いてきたため、天井を壊してそこから顔を出すことによって、なんとか助かることができたようです。
〈下呂市在住の方、令和2年7月豪雨を経験〉
令和2年7月上旬は梅雨で雨の日が多かったですが、私の住む下呂市小坂町長瀬地区では7日の夜8時頃からものすごく雨が降っていました。家のすぐそばの谷は普段ほとんど水が流れないようなところですが、「カラカラ」と石がいつもと違う音を立てながら流れ落ちていました。40年間住んでいて初めて聞くような音でした。いつでも避難できるように準備していましたが、夜10時頃、遠くに住んでいる息子から「夜中にすごく雨が降る見こみなので避難して!」と連絡があり、近くに住む親族を連れて近くの中学校に避難しました。
家の裏では、夜中2時半頃に土砂災害が起こったようです。夜が明け雨が止み、安全が確認された後に家に戻ると、家の裏側は2階に届くほどまで土砂が直撃していました。中に入ると寝室には、たくさんの土砂が流れこんでいました。そのまま寝ていたら無事ではいられなかったでしょう。
あのときは、外の様子がいつもと違うと感じたことによって避難の準備をしました。自宅付近や地域の普段の様子、特徴を知っておくことは大切だと思います。
考えよう
体験談を読んで、あなたは大雨のとき、どういう行動をとろうと思いますか。