線状降水帯って何?

気象庁が”顕著な大雨に関する情報”の提供を開始しました

線状降水帯という言葉、聞いたことがありますか?

文字通り雨の降る範囲(雨雲)が線のように広がっているということなのですが、それだけではありません。線状降水帯というのは、「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域(気象庁HPから)」です。

つまり、同じところで強い雨がずっと降り続けるということです。

平成26年に広島市安佐南区・阿佐北区で起きた大規模な土砂災害の原因は線状降水帯による局地的な豪雨でした。平成27年に茨城県常総市で鬼怒川が氾濫した「関東・東北豪雨」も台風の影響により形成された線状降水帯が原因でした。平成29年の九州北部豪雨や平成30年の7月豪雨、令和2年の7月豪雨でもそれぞれ線状降水帯が確認されています(土木学会報告書、気象庁報道発表資料から)。

そのため新たに6月17日から、線状降水帯による大雨が降っている場合に「顕著な大雨に関する情報」が気象庁から発表されることになりました(6月29日に沖縄県に初めて発表)。※具体的な発表基準は気象庁HPをご覧ください。

気を付けていただきたいのは、この「顕著な大雨に関する情報」が発表された時点ですでに大雨で危険な状態になっているということです。市町村からの避難情報に従い速やかに避難するか、それが危険な場合は身の安全を確保する行動をとる必要があります。また、「顕著な大雨に関する情報」が発表されなくても災害が発生する場合もあります。日頃から気象情報等に注意し、早めの避難を心がけましょう。

(平成30年7月豪雨災害検証報告書(岐阜県)から平成30年7月7日21時から8日9時までの解析雨量積算。線状降水帯が確認された)