当センターは、高度教育機能・研究機能を持つ岐阜大学と、実際に災害対応を行う岐阜県が共同で平成27年度に設置した組織で、人材育成や行政・企業等への技術支援に加えて、地震被害想定の調査研究等、防災・減災にかかる実践的シンクタンク機能を担っています。また、様々な啓発活動、人材育成プログラムの主催や講師派遣を通じて、地域防災力の強化を推進しています。
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事業の体系
大規模災害時には、行政だけでなく、地域の防災リーダーが中心となって、日頃から備えておく「自助」と、地域が協力して助け合う「共助」の取組を一層強化していく必要があります。当センターでは、下記体系図の通り、防災力の裾野を広げるため、住民・学校等の避難所運営訓練や各種防災研修等を実施しています。更に、地域の防災力のつながりを一層強化するため、地域の中核となる人材の育成、職種を越えた人々の交流の場づくり等を進めています。
これまでの取り組みの概要等
◆平成27年度
・当センター設置初年度として、設立記念シンポジウムをはじめ様々なイベント等による県民の防災・減災意識の醸成、研修や講座を通じた地域の防災人材の育成、行政や企業等の防災・減災活動に対する技術支援のほか、減災社会の実現に向けた調査研究等に取り組みました。
◆平成28年度
・地域の防災力の強化には、防災・減災活動に関わる団体が互いに連携しあうことが必要であり、これによって活動の面的な広がり、内容の充実につながることから、「自主防災活動団体のネットワーク形成」を中核事業として位置付け、ネットワークを構成する地域の防災人材の育成、自主防災活動団体が交流する機会づくりに取り組みました。
センター設置3年目からは、概ね3年を目安に、その間に取り組むテーマを設定し、センターの活動を展開することとしました。
◆第1期:平成29年度~平成31年度
・熊本地震のような大規模災害時には自治体の対応には限界があることから、地域の防災リーダーが中心となって日頃から備える「自助」と、地域が協力して助け合う「共助」の取組の強化が必要との認識の下、『防災人材育成強化期間』と位置付けました。
〔平成29年度〕 ・防災人材の育成強化に向け、防災力の裾野を広げるための防災研修・講座の充実や、防災力の専門性を高めるための防災リーダー育成講座等に取り組みました。また、地域の防災力のつながりを強化するため、地域の中核人材を育成するげんさい未来塾や様々な人材が交流できる場の創出等にも取り組みました。
〔平成30年度〕 ・平成29年度の取組を継続するとともに、防災力の専門性向上に向け、災害図上訓練指導者養成講座や避難所運営指導者養成講座等、リーダー人材の育成に力を入れたとともに、地域の防災力のつながり強化に向け、げんさい未来塾生や地域防災リーダーのスキルアップ、交流の場の創出等に取り組みました。
◆第2期:令和元年度~令和3年度
・県内においても甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨の教訓を踏まえ、人づくり、防災意識の向上に加え、「命を守る行動」の浸透が喫緊の課題であるとの認識の下、『住民行動力・避難力強化期間』と位置付けました。
〔令和元年度〕 ・災害時に、どの経路で、どこに避難するのか等、災害から命を守る手順を住民一人ひとりがあらかじめ考えておく「災害・避難カード」の普及の要となる災害・避難 カード指導者養成講座や、家族・近隣住民等の早期避難に役立つ実践的な災害図上訓練講座等に力を入れて取り組みました。
〔令和2年度〕 ・災害・避難カードの普及に向けた指導者育成講座や、実践的な災害図上訓練講座の継続等により、防災人材の育成、住民行動力・避難力の強化を図り、地域コミュニティーにおける「自助・共助」のソフトパワーの向上に取り組みました。また、コロナ渦での事業実施に向け、オンラインの活用を促進しました。
〔令和3年度〕 ・令和2年度に引き続き、災害・避難カード指導者養成講座や実践的な災害図上訓練講座等を開催し、地域コミュニティーにおける「自助・共助」のソフトパワーの強化に取り組みました。また、オンラインの活用を一層促進し、コロナ渦での事業推進に取り組みました。
第3期の取り組み方針
◆第3期:令和4年度~6年度
・頻発化・激甚化する災害に対し、逃げ遅れによる死者・行方不明者ゼロを実現するためには、住民が災害を「自分のこと」としてとらえ、早めの避難行動を促すことが必要です。そのためには地域の防災リーダーが中心となって住民や地域の防災意識を高めることが重要であることから、『育成人材の活用とネットワーク強化期間』と位置付けました。
〔令和4年度〕 ・コロナは完全に収束していない状況に鑑み、オンラインを併用したハイブリッドによる事業の推進に努めました。当センターの主要事業である人材育成では、げんさい未来塾に公務員コースを新設し、内容の充実を図ったほか、第3期の主たる取り組みである「育成人材の活躍とネットワーク化」の強化を図るため、県や市町村等と連携し、げんさい未来塾卒塾生の活躍の場の創出・拡大などに取り組みました。
〔令和5年度〕 ・新型コロナウイルスの5類移行後においても、コロナ渦で定着してきたオンラインを併用し、事業を実施しました。取組みの強化として、育成人材の活躍とネットワーク化の促進に向け、げんさい未来塾卒塾生の活躍の場の創出・拡大に注力するとともに、活躍の内容をホームページでクローズアップして掲載する等、情報発信の強化に努めました。
当センターを支えている方々
センター長 能島 暢呂(のじま のぶおと)教授
副センター長 小山 真紀(こやま まき) 岐阜大学地域減災研究センター長
神谷 浩二(かみや こうじ) 岐阜大学地域減災研究センター 減災技術開発部門長
吉田 隆浩(よしだ たかひろ) 同 災害医療部門長
橋本 操 (はしもと みさお) 同 減災社会推進部門長